回転寿司事件に思うユーモアを学ぶことの大切さ②
無駄にシリーズ物にしてすみません。
勿体ぶってるとかじゃなくて、今のタブレットの操作に慣れてなくて、記事が消えたら怖いので一回更新しちゃいました(汗)
さて今回の「回転寿司ペロペロ事件」いろいろな問題がありますが、「面白いを理解していない」ということが一番の原因なのではないかと思うのです。
逆に言えば「面白い」ということを理解していれば少なくとも今回のような事件は起きなかったのではないかと思うのです。
ちなみにここで指す『事件』というのは「高校生が飲食店で食器を舐めたこと」だけでなく「その動画を撮影したこと」「動画をSNSに上げたこと」「その動画が炎上して家族や学校、本人の生活に影響を及ぼしたこと」の一連の流れのことで、不適切な行動が全て改善されるとは思っていないです。
今回の事件は、高校生の集団が飲食店で仲間内で行っていた悪ノリが外部に流出して、それをみて不快に思った人が拡散させて大炎上したという流れです。
ここには4つ問題点があると思っていて
①「飲食店の食器を舐めたこと」
②「動画に撮ったこと」
③「動画をSNSに上げたこと」
④「動画を拡散させた人がいること」
まず問題点①「飲食店の食器を舐めたこと」
そもそもこれが全く面白くない訳なんだけど、「笑い」ってそもそも内輪的なもので、共通する知識をその場の人が共有することで面白いという感情が発生するもの。
例えば「モノマネ」で言えば、みんなが知っている芸能人や歌手の真似をするから面白いと感じるわけで、全く知らな人のモノマネをしても見ている人は面白くない。
こんな経験ないだろうか。中学校で先生のモノマネをして大ウケしていた奴が、高校に入って色々な中学からきた人の前で同郷の奴に「コイツまじおもしれぇから」と中学校の先生のモノマネをさせられてスベっているいるのを見たということ。
でもこれはそのモノマネをした奴が「つまらない奴」な訳ではないのです。そいつは「中学校では面白い奴」で、披露した場所と選んだネタを間違っただけなのです。そしてソイツがスベった原因にはけしかけた人の存在もある。
こういうエピソードを話していて思い出すのは2年前東京オリンピックの時期にあったラーメンズ小林賢太郎さん降板事件。
当時東京オリンピック開会式の演出担当だった小林賢太郎さんは、過去にテレビで披露した差別ネタ(厳密には差別ネタをやってるヤバい芸人を演じているコント)の動画(しかも本人たちが公式であげている動画ではない)が問題になり、チームからの降板を余儀なくされた事件。
これに関して小林賢太郎さんご本人は
「当時、思うように人を笑わせられなくて、浅はかに人の気を引こうとしていた頃だと思います。その後、自分でも良くないと思い、考えを改めまして、人を傷つけない笑いを目指すようになっていきました。」
とコメントを出されています。
今や世界的に活躍している作家の小林賢太郎さんでさえ、若い頃は正しくない笑いでウケを取っていたと言っています。
初めから適切な面白いことをできる人なんていないのです。
あそこまで人に迷惑をかけることではなくても、ドリンクバーの飲み物を混ぜたり、食べ物に七味を入れて「ノットワンハンドレッド」やったことある人、少なくないんじゃないでしょうか。
きっとあの高校生たちは多分自分達の中では面白い行為だったんでしょう。
ネットに上っていた動画に写っている彼だけがやっていたとは思いません。
昔であれば、やっていたことを周りの大人に注意されたり、つまんないって気付く友達がいたりして徐々に「これは面白くないんだ」と気付くことができたでしょう。
そもそも②「動画に撮る」、③「ネットにあげる」というツールがなければあそこまでやらなかったかもしれません。
「カメラ向けられたからこんなことやっちゃう」「こんなくだらないことをネットにあげちゃ俺たち」みたいな状況が彼らの内輪ノリを強めて、悪ふざけを助長したように思います。
本来だったら友達同士で見合うくらいにしか使われていなかったSNSで大炎上し、個人の特定、お店への損害賠償、高校を退学というあまりにも大きい被害を生む結果となってしまいました。
こうなる前に、彼から「自分達の行為は面白くないんだ」と」気付く機会があったらどんなに良かったでしょうか。そのために教室でできることは何かなと考え続けています。
そして4つ目の問題点「動画を拡散させた人がいたこと」
この動画を見て、拡散してさせた人は本当に正義だったでしょうか。
僕は最初この動画が回ってきた時に不快すぎて再生することが出来ませんでした。
しかし連日ニュースやネットで話題になり、教師として、現場にユーモアを持ち込みたいと思っている者として覚悟して動画を見ました。
今回の炎上は、「悪質な悪戯をした高校生たちを叩く」というエンタメとして面白がられてしまったような気がします。
それも含め手「面白い」とはどういうことか、みんなが考える機会があったらと思います。
日本での笑いの「しんぼる」となっている松本人志さんは以前著書(確か「遺書」)の中で「ニュース番組で殺人事件があった現場中継のレポーターの後ろで携帯電話を持ってピースしているガキが許せない。何が許せないか考えたら笑いを勘違いしていることが許せない。俺今写ってるぜって電話して笑って、その電話を受けた奴も、写ってる写ってるって笑ってる。こんなつまんない奴の命と俺の命は同じ価値で、俺が口に入れて甘いものは、こいつが口に入れて甘いんだと思うと許せない」ということを書いていました。
松本人志さん今回の回転寿司ぺろぺろ事件のことをどうコメントするのかなと思って「ワイドナショー」を注目していたら「コイツらは醤油のびん舐めるくせに、なんでその前に舐めたやつがいるかもしれないとは考えへんねん」と笑いを取っていました。丸くなったな笑